2011/06/26

イタリア選手権

シチリア島にて、イタリア選手権が土曜日に開催されました。
我々は、12名の選手が出場。
レース中盤にも多くの選手を残し、消耗戦に対応しました。
結果として、ジョバンニ・ヴィスコンティ選手の2連覇達成。
補給を終えてアリーボに向かいましたが、警備員に足止めされてしまい(今回は補給が担当でしたが、アリーボ担当のマッサーを手伝おうと急いで戻ったのですが…… )、ラスト400メートル地点でジョバンニを含む先頭集団の通過を見ました。
ここまできたら絶対に勝ち取りたい!

「イケェ!ジョバンニィィ!!」と叫び……
アリーボのアナウンスを聞いて彼が勝った事を知りました。
イタリアチャンピオンの価値を十分に理解したこの一年。
またこれを実感しながらシーズンを過ごせるなんて……
素晴らしい。
タイムトライアルが日曜日に開催されます。
出場選手は、ジョバンニのみ。
スタッフ数人と彼の奥さん、息子ちゃんとの少人数での食事となりましたが……ワインとシャンパンで乾杯の連続となり、ぶっつぶされました。
タイムトライアル、ジョバンニは安定した強さを見せます。スペシャリスト相手にどんな走りが出来るか?注目です。
それにしても、精神的に余裕が出来たのでリラックスして走れるでしょう。

わざわざトスカーナから駆け付けたスポンサー関連の方々も大喜び。
お互いにガッツポーズとりながら、喜びを味わい合いました。

2011/06/20

スロベニア終了

Tour de Slovénie
このレースは、3年前のチームで来た時に、マッサー同志の仕事に対する状況が最悪となり「もうイタリアでは通用しないかも…」と落ち込んだことのある因縁のレースであります。

今は、チームも環境も変わり仕事の内容把握も出来ていますが、当時は「何をしなくてはいけないか?は分かっているのに何も出来ていない、出来ない」自分にちょっと限界を感じた事があったのです。

そして、今日の最終ステージ…
アリーボに着いて、その当時の記憶が一気に戻りました。
あの3年前と同じゴール…
嫌な記憶は、しっかり脳裏に焼き付いていました…
「あぁ~ここかぁ~…」と…

しかし、今日のアリーボ・・・
イタリア期待の若手選手であるグアルディーニが見事にスプリントを制して、ステージ優勝。
自分に向いているステージできっちりと勝利を挙げるのは見事です。
帰りに一緒だったメカニックによると彼は今日のレース、前輪、後輪それぞれ別々にパンクし、その都度チームメイトが集団復帰に全力を尽くしたと聞きました。
アリーボにいては、分らない…
チームのアシスト陣、そして、そんな彼らの期待にしっかり答える彼も素晴らしい。
テレビインタビューに流暢ではないにしても、しっかり英語で受け答えしていました。


そんな勝利で、スロベニアのこのアリーボのイメージが塗り替えられたと思います。
「ここは、辛い事があった場所だけど、グアルディーニが勝った場所!」と・・・


今日のホテルは、スキーリフトの乗車場の為山の中・・・
朝の気温が3℃・・・
オイオイオイ・・・

次のレースは、週末に行われるイタリア国内選手権に同行します。
今年は、シチリア島が舞台。
またまた、イタリアのつま先までの長距離ドライブが待っています。

2011/06/16

スロベニア

スロベニアのレースに来ています。
出場選手の構成が、直前に変わり、ヴィスコンティ、ガット、グアルディーニとチームの中心選手で構成されています。
タイムトライアルと3つのステージの4日間のレース。
明日のタイムトライアルは午後6時のスタート・・・
陽が長いので、明るいですが、夕食の時間に影響するのでスタート順を監督はいろいろ考えています。
ジョバンニがチームの第一走者になります。
(早く終えて、ホテルでマッサージが出来るように・・・)

スロベニアは3回目となります。
いつも雨が降っているイメージでしたが、今日はいい天気。
レースの準備中また汗かきっぱなし・・・
またまた、皆から「マサ!!どうした??」と心配されましたが、いつもの事です。



シーズン前半戦の山場であるイタリア選手権まであともう少し。
去年は最高の結果をチームが勝ち取りました。
イタリアを拠点とするチームにとってのイタリアチャンピオンの存在価値。
この1年、十分に理解しました。
どのチームもどの選手も欲しいタイトル・・・

それに向けての最後のレースによる調整となります。


このレース後にベルギーに良く予定でしたが、チームの出場をキャンセルしました。
ということで、このレース後にはトスカーナに戻ります。

2011/06/08

Delta Profronde

オランダのレース通称デルタツールに行ってきます。
デルタ地帯・・・真平ら・・・
このレースは、コースプロファイルには載っていない、風の強さが敵。
コース自体のキツさが低くても、レースをする訳ですから、強度はキツイはず。
そして、各選手ナショナルチャンピオンシップを控えています。
スプリントになる可能性が高いですが、落車のトラブルだけは、無いように・・・
宮澤選手も出場します。


我々スタッフは、ベルギーの空港で選手たちを出迎えるために、明日出発。
選手は明後日。

ここんところのヨーロッパは、天気が安定しておりません。
この数日間、トスカーナでは、まるでスコールの様な雨が降ったり止んだりしております。
ジロの期間中のイタリアは、綺麗な青い空の毎日でしたが、今はそんな気配は全くなし・・・

ジロが終わってから、ゆっくり出来たので、これからまた飛ばして頑張ります。
このオランダの後は、スロベニア、ベルギーと連戦です。

アルバイテン!!

2011/06/04

夢みて起きたら・・・

ジロが終わり、休養をもらいゆっくりさせてもらっています。
(倉庫の作業は相変わらずありますが、のんびりやっております)
最近、「チームの洗濯物のタオルがまだ乾いていないから早くカミオンに行ってチェックしないと!!」・・・
という夢で朝目覚めます・・・
起きてから・・・
「あぁ~あああ夢かぁ~」とまた二度寝にはいる訳であります。
まだ、頭の中ではジロが終っていないのでしょうか??

そういえば、ジロの最中は、よく寝れました。
こんな変な夢も見ずに、自転車レースとまったく関係ない夢を見て・・・
起きたら・・・
「あぁ~ジロの最中だった・・・」と・・・
スタッフの健康管理も重要と先輩マッサーから何度も言われていました。

レース中にワインやシャンパンを飲む機会があり、酔っ払って寝た時もありましたが、そんな時は非常に良い睡眠が取れ、翌日はかなり調子が良かったです。
弱い私ですが、少しくらいは飲んだほうがいいのかもしれませんね。

さすがに二度寝はしません。
朝にこそいろんな仕事が待っています。
選手よりも1時間半から2時間前には起き、朝食をスタッフ皆で済ませ・・・
「さぁ、働くべ!!」ってな感じで朝の仕事に入ります。
役割分担がレース前の不安と比べ、スムーズ機能していたので、些細な文句は出ましたが、それぞれ動いておりました。
私は、他のスタッフの援護的な仕事が多く、ボトルの準備などが終っていなければ、手伝い・・・
チームカーの準備が遅れていれば、手伝い・・・
朝から額に汗かきっぱなし・・・
「マサ・・・また汗かいてる」「何かあったのか??」
なんて会話によくなったものです。


ここ数日トスカーナは、昼は暑いですが夕方には雷ゴロゴロ・・・空気も涼しいです。
先月の晴天続きとは、また違います。

さて、明日からスイスの1dayレースにチームが参戦します。
私は、帯同しません。
つぎのオランダのレースまであと1週間。
その後、スロベニア、ベルギー、そして7月のオーストリアのレースに帯同する様なプログラムに変わりました。
イタリア選手権には行かない事になりました。
そうなるとイタリアのレースは8月になってからだわ・・・

2011/06/03

雑務・・・車両編

今日は、車関係について・・・
ジロには、9人の選手以上にスタッフが同行しています。
監督、メカニック、マッサー、広報、ドクター、マネージャーなどなど・・・
全員で24名。

当然、レースに運ぶ車両も多く。
チームカーが3台。(カテゴリーが上のチームだと、4,5台はありましたね)
大型バスが1台。
中型バスが1台。
ワンボックカーが1台。
カミオンが1台。
マネージャー用の車がもう1台。

今回のジロは、まさしくイタリア1周レース。
ということで、必然と長距離の移動となります。

私は、免許の関係から、チームカーやワンボックカーを運転するのみでしたが、さすがに3週間、毎日長距離を移動すると車両関係のトラブルもたくさん出てくるわけです。

パンク・・・(スタート地点に着いてからのパンクが一件、ホテルを出発前に1件)
バスのモーター異常・・・(毎度)
空調が効かない・・・(第2週目の数日間)
鍵がどこかにいっちゃう・・・(4日に1回ほど…)
などなど・・・
ジロには、バスやカミオンの内装を手がけた業者も同行しているので(様々なチームの車両をメンテナンスしていました)故障の都度にその業者を呼び、修理・・・また故障、修理・・・の連続でありました。
鍵に関しては、スペアを必ず用意しているので問題ありませんが、だいたい誰かのポケットに入っていたり、そのままポケットに入れたまま洗濯物の中に入ってたりで・・・

うちは最終的に選手に被害は出ませんでしたが、第17ステージでは、BMCレーシングのチームバスが故障し、結局我々のチームバスでレース後選手がシャワーを浴びる事態になったりもしてました。

そして有り得るのが・・・
車両をぶつける、擦るトラブル。
私の運転中は大丈夫でしたが、ジロが終わって結局、傷のついた車両は・・・
大型バス、中型バス、チームカー、カミオン・・・
そして、チームカー1台は、レース中縁石に乗り上げ、故障リタイア・・・
最後の数ステージは、チームカーが1台少い状態でレースしてました。

選手のケガだけでなく、車両関係の故障もこうして長いレースだとあるのです。

2011/06/02

雑務・・・洗濯編

チームによっては、マッサーの雑務の内容に違いがあるかもしれませんが・・・
我々のチームでは・・・

ウエアの洗濯・・・
レース後、選手のウエアを洗濯し、乾燥させ寝るまでには各選手の部屋に運びます。
チームによっては、朝食時にレストランで配る事もあるようです。
(チームによって、それぞれですね)
今回のジロは、晴天が続き、いわゆる泥汚れがベットリといった状況はありませんでした。
もしも、酷い汚れの時は、各マッサーが担当している選手のウエアを手洗いしてそれから洗濯機に放り込もうという事に事前の打ち合わせでなっていました。

我々のウエアは、白と蛍光イエローが基調となったものですので、泥汚れは非常に目立ちます。
汚いまま洗濯機に放りこんでも、白い部分の汚れは落ちていない事が多いのです。
(ホテルについて、すぐにマッサージに入りたいのではありますが、こういった状況下では、そんな洗濯の下準備も必要な事になりますし、選手もそれは理解しています)
そして、選手はチームバスでシャワーを浴びますから大量のバスタオルも毎日洗濯・・・
タオルは、ご存知のとおりなかなか乾かないので・・・
朝起きたときに、もう一度乾燥機を回すって事が多々ありました。

カミオンとチームバスにそれぞれ、洗濯機と乾燥機が備わっているので、いくら9人の選手で洗濯物が多くても大丈夫!!と思っていても・・・
ホテルのブレーカーがやたらと落ちまくったりで、結構面倒なものでもあるのです。


結構、マッサージが終わった頃に洗濯を終えたウエアを乾燥機にぶち込んで、食後乾いているか?チェックするとまだまだで、イライラして乾燥機の前で待つ・・・って事あるんですよね。

機械に何かと振り回される担当です。これ・・・



2011/06/01

しゃべる!!

ネタが新鮮なうちに書いておこうと思います。

今回のジロには、ジョルナータ(短期間契約)のマッサーとして、アンドレア・ノエ選手の弟であるパオロが我々に加わりました。
何度かブログにも書いていますが、彼もジロは14回目・・・
経験を持ったマッサーで、どのチームでもバリバリ働けるレベルのマッサーです。
ミラネーゼ・・・
我々のチームは、トスカーナ・・・
スタッフのほとんどが、トスカーナ野郎ども・・・(いい意味ですよ)
しかし、このミラネーゼ対トスカーナ人達のバトルが面白かった。
仕事に対する考え方、進め方に相違点が出るとすぐにバトル開始・・・
最終的には、「どっちが税金多く払ってんだ!!当然ミラノだべぇ~」ってな感じで、論点が変わってきますからね。

でも最終的に、いろいろ言い争っても、お互い根に持つ感じじゃないのですっきりしてるんです。

5人のマッサーでこのジロ・デ・イタリアを戦いましたが、いろいろお互い文句(「あぁ~俺の方が大変だぁ~」とか「マサはいつもより楽してるぅ~」とか)を言いながらも大きく崩れることなくそれぞれ仕事をこなしたと思います。
うまく仕事を運ぶために感じたことは、理解、協力、連携です。
それぞれ同じような意味を持つのではありますが・・・
お互いの仕事を理解して、内容を把握し、手が空けばすぐに手を貸す・・・こうしていけば、連携はうまくいくはず。
うまくいかないときには、何かが欠けている。
ずるがしこい考えを持つ持つ者がいれば、簡単に崩れますよね。

実は、今回のジロの第1週目・・・
皆のテンションが高く、ベラベラ喋りまくっているのを横目にしながら、最初から飛ばしてはいけないとおとなしくテーブルや普段からしていたら、イタリア語が急に下手になった気がしました。
「マサ!!元気ないけど、大丈夫か??オイオイ・・・・」と言われたりもしました。
仕事には大きく影響せずに、だんだん感覚を取り戻しましたが・・・
3週間も一緒に居ると実は、何気ない普段のふざけた会話が結構重要だったりして・・・
要は、ストレス解消や愚痴をこぼすという事。
我々のチームのスタッフは、みな明るく、どちらかというとフザケるのが好きなタイプ(トスカーナ野郎どもだからかな??)
私はこの雰囲気に助けられたのかもしれません。

仕事に使う言葉が一番大切ですが、よりコミュニケーションを図るならそれ以外の話もできないとね・・・
あ~ぁ、やっぱり大変。