2011/05/31

ジロ・デ・イタリア2011終了

 本日の午前中にチーム倉庫でのチームトラック、バスからの荷降ろしや整理などの後片付けを終えてきました。
これで、ジロ・デ・イタリアは終了です。

プロチームで活動をするようになってから、目標となっていたこのレース。
イタリアのチームで活動するに当たり、外人である私がアピールするべきところは、仕事での評価です。
これしかありません。
このチームに入り2シーズン目。
昨年はチーム自体がジロの選考から外れてしまい、途方に暮れた5月。
今年ついにこのグランツールでの活動が現実となりました。
昨年のイタリアチャンピオンシップにてジョヴァンニ・ヴィスコンティ選手が見事にイタリアチャンピオンになった事が我々のチームの選考理由の大きな理由である事は、間違いありません。

膝に問題を抱えながらも、彼はイタリアチャンピオンとして、そしてチームリーダーとしての責任感も持って最終ステージのミラノまで走りきってくれました。
彼には、今回いろいろな出来事がありました。
同部屋の仲間であり、そして親友でもあり、そして重要なアシスト選手でもあるファイッリ選手が、レース前半戦で落車による怪我でリタイア・・・
そしてかつてクイックステップ時代のチームメイトであり、練習を一緒にしていたウェイラント選手のレース中の落車による死・・
決して、平常心でない状態での毎ステージでありました。
そんな中での僅かに残されたチャンスであった、第17ステージでの出来事。
単に「彼が押したら降格」。とは簡単に片付けられない私であります。
本当に勝たせてあげたかった。


そして・・・
チームリーダーの一人でもあるオスカル・ガット選手の第8ステージの勝利。
我々に大きな意味があります。
チームの力関係から見ても、我々には総合成績を上位で争うというよりも、ステージを狙いに行くというのがはっきりしていました。
(とはいえ、ステージ狙いといっても、簡単に勝てるわけではありません)

しかしながら、贔屓目には見てますが、彼の勝ち方は、とても美しかった。
思い切りの良さ、後ろから追ってくるコンタドールとの距離感・・・
彼のガッツポーズ。
ゴールの写真もいくつか見ましたが、絵になってますね。
初めてのグランツールでしかも、自分の担当する選手がステージを制するなんて・・・
この日、ホテルに戻ってから他のマッサー達からも「お前これで、レース勝者の担当マッサーの仲間入りだな」と言われたり・・・
スポンサーの方々も多く各ホテルに訪れては、大喜びです。
ジロに出るチームをスポンサーする事。
そして、そこで勝つことによる、スポンサーへの貢献・・・
単純な事が目の前で見れました。


まだまだ書くことは、あるはずなんですが、一気に書く能力がありません・・・


2011/05/30

最終ステージ

ミラノの中心街、ドォーモにゴール。
ミラノには、何回か来たことがありますが、素晴らしい天気にも恵まれ華やかな舞台となりました。

また落ち着いて今回のジロについて書きたいと思います。

我々の最終走者であるヴィスコンティが、フィニッシュし、バスに戻り今日の結末を見る前に既にミラノのバス駐車場から、トスカーナに向けて出発しました。

毎日続けたブログですが、自分でも読み返してみたいと思います。

2011/05/29

第20ステージ

ミラノを直前に控えての厳しいステージ。
我々の選手では、マッツァンティ選手が逃げの集団に入りましたが、最終局面までは残れませんでした。
今日の様な上りゴールのステージでは、多くの選手が辿り着く前に表彰式が淡々と行われていきます。
我々の選手を待つ間に、コンタドールの表彰も終り、ピンクの紙吹雪が舞い散ります。
狙って撮ったものでもないので、うまく撮れていませんね。
ついに明日、最終ステージを迎えます。
ミラノでのタイムトライアル。
タイムトライアルでは、スタート前にいろいろな準備が必要ですが、私は最後もアリーボ担当。
ジロ・デ・イタリアの最終ステージのアリーボということで、仕事の締めくくりをします。
とはいえ、最終的には拠点のトスカーナまでチームカーを運ぶ仕事が待っていますが・・・ねぇ。
初めてのグランツール・・・
落ち着いてから、また・・・

2011/05/28

第19ステージ

ベルガモの中心街をスタートするのですが、朝の渋滞に巻き込まれ間に合うのか?不安になりました。
大体スケジュールとしては、一時間前にはスタート地点に着いて、バスの中で具体的な作戦、指示が出されます。
選手は着替えながら、そして雨が降りそうならチームカーに積む自分のウエアの下準備、そしてオイルが必要な選手がいれば、スタートオイルを塗ります。
チームバスには、エスプレッソマシンが備えつけられているので、バスから出発するまえに、一杯飲んでレースに出ていきます。
これらのルーティーンが崩れてしまうと…
メチャクチャになります。
まぁそこまで遅れなかったからセーフでした。
イタリア国外のレースだと、オーガナイザーが酷くそんな事も有り得ますけどね。

今日の天気は、スタートしてすぐに大雨…
ジロの前半戦に使っていた、日焼け止めなんてまったくいらない…
同じレースですが、さすがに3週間ですと、随分前の出来事の様にも感じたりします。

コースレイアウトは、最後の上りは勾配はキツくなくても距離が長いので、楽なステージではありませんでした。
今日もラボッティーニ選手が大きく逃げに乗り、ジョバンニと一緒にゴールしています。

今日のフィニッシュに行く途中には、別府選手の応援をされている方がつけたのでしょう。日本国旗が見れました。
アリーボの警備のおっちゃんも彼の名前を連呼してましたね。
とても友好的で、ナイスガイと誉めてました。

ついに明後日はミラノです。
明日のレース後は、ミラノですが…
最終ステージは、タイムトライアルですので、明日が最後のチャンスとなります。

我々は、総合成績には関わっていませんが、非常に厳しいステージになります。

あと少し…
頑張ります!

2011/05/27

第18ステージ

ベルガモ近郊に来ています。
今日のステージ。
いつもの様にアリーボ待機ですが、ゴール地点に着いたのが一番最後になり、少々焦りましたが普段通りに仕事をしました。
今日は昨日のステージの成績が良かった為にチームの表彰がありました。
今日のステージでもチャレンジはしていますが、簡単に自分達の思惑通りにはいきません。
チームそれぞれに考えがありますから…
これから週末にかけて天気が怪しいですが、残りのステージをしっかり味わってミラノにたどり着きたいと思います。

2011/05/26

第17ステージ

非常に残念ながら、ジョバンニのフィニッシュでの行為により降格処分となりました。

ラストの下りから、平坦が続き、ラストは一直線ながらやや上りながらゴール。
このパターンは、彼の得意とするレイアウト。
少人数に絞り、勝ちパターンに確実に近づいてきていました。
アリーボ待機としても、来る!可能性が高いと心拍も上がってきてました。
最後の最後については、私から発言する事はできません。

ジロで勝つ事の意味。
チームバス内での激論からしても、強く感じました。

2011/05/25

第16ステージ

今日は山岳タイムトライアル。
スタート順は、総合成績の下位選手から・・・
我々のチームは、総合成績でみると上位に選手がいません。
ということで、一番上位のジョバンニでも総合では1時間以上遅れています。
全ての選手が走り終え、駐車場に停めてあるバスに向かう途中、各チームのマッサー達から「マサ、どこ行くんだ?」と半分本気で半分フザケて声をかけられる。

ガットは、ベネト出身。
北イタリアには多くの知人がいるようで、ゴールの整理係、ゴールにいる警官、観客のおっちゃん、皆から「オスカルはまだか??」と声をかけられます。
チームバスをゴールから数百メートルのところに停めているので、各選手ゴールしたらすぐに飲み物を渡し、バスへ戻らせますが・・・
ガットに関しては、サイン攻め。写真攻め・・・
多くの知人が彼の勝利を喜んでいて・・・
足止め・・・
しかも急に風が吹いてきて・・・
ということで、もう一枚上着を着させ、身体が冷えないようにしました。
まだ厳しいステージが待っています。
最後の最後に体調を崩す事のないように気を付けなくてはいけません。

長丁場のレース。
疲れが溜まっていないか?多くの人から声をかけられます。
最初に飛ばさなかっただけに現在、絶好調。
まだまだいけます。
とはいえ、今回は5人のマッサーで仕事を分担しているので、各マッサーに対するマッサージ業務以外の仕事のストレスが極端に普段のレースよりも少なくなっています。
私も普段の仕事量と比べたら、半分は大袈裟かもしれませんが、その位楽に感じます。
その分、マッサージの時間は大切にして、集中して行うようにしています。

2011/05/24

第2休息日

休息日では、午前中にすべてのチームカー、カミオン、バス、ワンボックスカーの整理、掃除、そしてこれから始まる1週間の準備を終えました。
疲労の溜まっている選手はじめ、スタッフたちにも休息の日となりました。
大量のスーツケースを毎ホテルで運び込むスタッフには、肉体的な疲労が出てマッサー同志で施術を行ったり・・・
またそこで、マッサージに対する情報交換を行えたりもします。
マッサージに対する考え方は、各マッサーそれぞれ持っています。
自分だけの世界に入らずに、アンテナを張ることは、良い情報は自分の身につけ、そして選手に還元できるようになるはずです。

ミラノまでまだ厳しいレースが待っていますが、選手そしてチームのスタッフたちと乗り切りたいと思います。

北イタリア・・・
素晴らしいですね。
休息日には、雨も振らずに素晴らしい景観を目に出来ました。
トスカーナの人間臭さとは違う、ドロミテの人達の雰囲気に癒されました。
話すイントネーションが、ゆっくりで良いんですよね。

残りのステージ。
タイムトライアルが2ステージあります。
総合成績に関わる選手、チームはまだ気が抜けません。
我々は、まだあるはずのチャンスを狙います。

2011/05/23

第15ステージ

今日も上りゴール。
昨日は、選手のゴールと共に天気が大崩。
今日は、選手のゴール準備中は天気が最悪、選手のゴールと共になんとか雨が止むといったところ。
天気が崩れるのは、山頂にいれば当たり前ですが、アリーボ待機担当としてはいろんな事を想定していないとありません。
小さなトラブルなどありますが、こういった事の積み重ねが経験となるのでありますね。

休息日に入ります。

2011/05/22

第14ステージ

一部コースが削除されたとはいえ、さすがに厳しいステージでした。
アリーボ近くの駐車場に着いた時に残念ニュースが入りました。
チームの中心選手のひとり、アンドレア・ノエ選手がリタイアしたと…
彼はこのジロデイタリアが最後のレース。
つまり、ミラノに着いて選手のキャリアを終えるということ。
その為に今シーズンはレースを重ねてきました。
春からティレーノ、ミラノサンレモ、トルコと私が担当してきたのでチーム内でも身近な選手のひとりであります。
16回目のジロ…
口は悪いけど、やる事に筋の通った選手。ワガママとかではありません。
今回のジロには、また経験豊富な彼の弟が我々と一緒になり担当していました。
彼もプロですから、リタイアは理解していますが、残念に違いありません。

ファイリ、ノエと二人が抜け七人になりました。

レースはアリーボ担当でしたが、選手が近くになるにつれ、空模様が、怪しくなり…
ついには雨、雷、アラレもうメチャクチャ。

凄い観客でしたが、レース後にバスの駐車場に降りるのも一苦労。
徒歩で下るひと、バイクで下るひと…
レースも凄いですが、レース後の移動も凄い事になってました。
明日も…
覚悟します。
でも明後日は、休息日。
少しだけ余裕ができるかな?

2011/05/21

第13ステージ

レースもついに山岳三連戦のステージに突入しました。この三日間を乗り切らないとミラノには辿り着けません。
総合成績を狙っているチームにとっては待ちに待ったステージであり、この三日間の出来で勝負のほとんどが決まりそうであります。
我々はアンドレア・ノエ選手が先にゴールしましたが、先頭からは7分以上遅れてのゴールです。
山に入り…レースそのものが違う雰囲気を持ってるような気がします。
天候も一気に変わり暑さ対策ではなく、寒さそして雨の対応が必要となります。
明日のステージは一部山岳がカットされたとの事。
喜ぶチーム、くやしいチームに別れますね。
明日もアリーボ担当、

2011/05/20

第12ステージ

今日のステージは、平坦。
当然スプリントになる事を想定したレースになりたした。
リッチヴィッティが逃げに加わりチームとしては、動きを見せたレースではありましたが、結果は、カベンディッシュのスプリント勝利。

そういえば、スタート前にジョバンニに着いていたライトウエイトは、レースの放送が始まったらガットが着けていましたね。

グアルディーニがチームバスに顔を出しに来ました。
こちらのジロの番組にゲストで来たらしいのですか、イタリアでも注目の選手であります。
若いですが、非常に素晴らしい人格の持ち主。
スタッフ皆からの評判もダントツです。
今日のステージ、お前がでてたらどうなるかね?なんて聞くと…
冗談半分にきっと出てもエトナ山のステージで………
彼のプロ生活はまだ始まったばかり、このあとジロで何勝出来るのか?長い目で見てみたい選手ですね。
実は彼は先日練習中に車に横切られバイクが真っ二つになる事故をしています。
身体の事を聞いたら、肩にガラスの破片が数ヵ所刺さっただけで、大丈夫との事。
相手の車のフロントガラスは、見事に彼のショルダーアタックで、砕けていました。
うまく肩で当てたようで…
スプリンター体型の彼は、上半身にもしっかり筋肉がついています。

レース後の移動が長いこのジロ。
選手達がホテルに着いたのは、夜の10時過ぎ。
マッサージは、いらないからすぐに寝る選手と軽くだけ行う選手に別れました。

明日からの3日間でこのジロの結果ははっきりするでしょう。
しかし、うわさではこの3日間でかなりの選手が家に帰るだろうとも言われています。
数人どころではない…可能性が大。

2011/05/19

第11ステージ

コースレイアウトは、ギザギザ。つまり、上り下りの多いコース。距離が短くとも強度の高いレースでした。
ジョバンニが、このステージでも最後の局面でチャレンジし、残念ながら三位。
膝に問題があるとこちらでも報道されていますが、連日集中してレースに入っています。
彼は三位では納得してません。

今日のホテルはレース後の移動も短く、数十分で着きました。
しかしながら、明日のレース後の移動はまたまた長距離。
確実にホテルに着くのが遅くなります。
チームバスには、キッチンもあるのでパスタを茹でる予定。
シチリアからの移動は休息日前だったから良いけど、明後日はレースあります…
しかも山に入っていくのであります。
いろんな意味で身体の強さが要求されますね。
そういえば、今日のレストランにはチームスカイのロゴの入った白衣ならぬ、黒衣を着たコックさんがいました。チーム契約のひとなんでしょうね。
凄いなぁ〜。

今日はガットのマッサージしながらのインタビューという取材が入りました。ビデオで撮影しているのですが、話も終わったなと思ったら…
最後に突然私にも話をふられ、頭まっしろ…。
言った一言。
ガンバ…エ…ボーノ…
(脚は良いですね)
何を聞かれたのかも思い出せない。

2011/05/18

第10ステージ

今日は雨が降ってもおかしくない空模様。風もあり、補給地点には一応温かい紅茶がすぐに作れるように準備をして行きました。
補給の始まる前には、JSPORTSの電話インタビューに中野マッサーと御一緒しました。
アスタナのチームカーに閉じこもり、周りのマッサー達の洒落にならない悪ふざけから逃れて……

このジロでは、初めての補給担当。
何度やっても遠くにパトカーの先導によってコントロールされて近づいて来る選手達の集団には、緊張します。
今日は距離も短く、サケットを取る選手、取らない選手が、はっきり別れていました。
補給を終えてチームバスの駐車場に戻ったら、大勢のファルネーゼヴィーニ関係者でバスはギュウギュウてました。

ホテルでの夕食時には、ファルネーゼ関係者から今日もシャンパンを飲まされて…
眠い。

2011/05/17

第9ステージ&休息日…

レース前にシチリア島に渡り、エトナ山を上る厳しいステージ。
ジョバンニは、早くにバスを出て昔からの仲間達との再開を楽しんでいました。
レースでは、逃げのグループに入りましたが、簡単には勝たせてもらえませんでした。
(それにしても、コンタドールの爆発力は恐ろしいですね。ちょっと次元が違う気がする…)

そしてシチリア島でのレースを終え、すぐに移動開始。
フェリーに他のチーム達と一緒に本土に渡り大移動。
フェリーは、ジロに出ているチーム、オーガナイザーのみです。
移動は本当に大変ですが、楽しむ事にしています。

今日の早朝5時過ぎにホテルに着き、先に着いているスタッフ達から気を使ってもらい、昼過ぎまでゆっくりさせてもらいました。

先輩マッサーから「しっかり休む事が大切!」と力説されました。
このレースは、ジロ・デ・イタリアなんだから…!!
しかもまだ半分も終わってない。

まだ他のステージも狙っているので、選手に対して良い仕事をするためにスタッフも体調の回復が必要という事です。
日本的な考えでは、「スタッフなんて休んでる暇あるなら何かしろ!」
ってな感じもありますが、ここは違います。
選手達からも、「マサ!ちゃんと寝れた?」と気にしてもらってます。
お互いにリスペクトする関係が築きあげる事が出来ていれば、そこから繋がる結果にも大きな影響がでてくるはず。
日本で考えている以上に選手とスタッフの立場は対等です。
これは上のチームになればなるほどそうなはず…。

という事で我々も明日のレースの準備もすでに終えゆっくりしました。

ホテルにスタッフの家族が訪れ一歳になる赤ちゃんの誕生日を皆で祝いました。
とてもかわいい子で皆の顔も穏やかになり、神経質でピリピリといったことはありませんでした。

スポンサーのファルネーゼの偉い方が夕食時に選手達に激励をしに来ました。
すでにステージ勝利を納めている事は、チームにとって良いムードを作っています。
当然、スポンサーに対しても!

正直言って、シチリア島からの大移動時に北へ向かうのですが、レースを終えてトスカーナに帰る錯覚に陥りました。
まだまだレースは、続きます。
というか、これから激しくなるんだよなぁ。
頑張ります。

2011/05/15

第8ステージ

最高のアリーボを経験できました。
オスカル・ガット選手がステージ優勝。
残り5キロ位まではマッサーの待機場でテレビを見てましたが、スプリントになるのは分かっていたので、ゴールから離れた場所に待機していました。
実況放送でガットの名前が連呼され、もしやと思ったら、我々のウエアである白と黄色のジャージが一人でアリーボに突入してくるのが見えました。
最高の瞬間を目の前にしました。
ジロでのステージ勝利は、彼のキャリアの中でも大きな実績となります。
マッサージ後にポディウムでシャンパンファイトしたボトルと記念撮影。
マッサージ中も祝福の電話、メールが鳴りっぱなし…
それだけこのレースは大きいということ。

我々チームとしても是非欲しかったステージ勝利を勝ち取れたのも素晴らしい事です。

明日はシチリア島でのレース。
スケジュール的にも仕事のオーガナイズがないと大変な事になる。
朝からフェリーでシチリア島に渡りレース。
選手は飛行機で次のホテルへ…
スタッフ達は、チームカーの長距離運転となります。

彼のポディウムの姿を見たら、急に勝利を実感して泣けてきた…。

2011/05/14

第7ステージ

上りゴールのステージ。
山頂で待機しました。
チームバスは山頂にて待機出来ないので、私とドクターは山岳電車?にてアリーボへ…
一般客と我々チーム関係者でいざこざがありましたか、遅れる事なくアリーボ待機できました。
選手は自走で麓のバスまで下るためウエアの準備が必要となります。
様々な事を経験でき、私もエンジンがかかってきました。
同じホテルにアスタナが泊まっているので、ゆっくり中野マッサーはじめ昔の仲間達と話をしたかったのに時間がとれませんでした。
ただ元気に活動している姿を見せられたのは良かった。
良いスタッフとの仕事は、精神的な余裕が出来るため密度の濃い仕事になるんですよね。
アミカチップス時代が懐かしい…
チームは違っても自転車界という枠の中では同業者、仲間であります。
明日もレース前、レース後の移動が長い…。
そして、明後日は…もっと凄い移動が待ってる。
モッツァレラ食べました。

2011/05/13

第6ステージ

今日も快晴。
ゴール後の選手たちから今日はホントに暑かったと・・・
今日のステージは、ジョバンニやガットに向いているアリーボだったためチームとしてトライをしました。
結果としては、勝利を勝ち取ることはできませんでしたが、他のアシストの選手達も懸命に仕事をしました。

明日のステージは110キロと距離は短いですが、上りゴールということで強度が低いというわけではありません。
スタート時間は、テレビ放送にあわせ午後2時10分・・・
ホテルで朝はゆっくりしてスタート地点に向かいます。

明日で三分の一のステージを消化することになります。
まだまだレースは続きますが、仕事のペースも掴めてきたので、これからチームの一員としてチームの為に機能できるように働きたいと思います。
通常のレースは、マッサー3人体制で8人出走。
今回は、マッサー5人で9人出走。

昨日のステージでファイッリ選手が落車し、両膝、肘を50針も縫う大怪我。
残念ながらレースを離れることになってしまいました。
彼は、貴重なジョバンニのアシストとして今シーズンから我々のチームに合流し春先から重要なアシスト選手として機能していました。
しかもジョバンニとの部屋のパートナー。
(監督と相談して、どの選手と一緒にするか決めます)
貴重な選手を失ってしまいました。
現在8人の選手でレースを行っています。

明日のレース後の移動が120キロ・・・
マッサージの時間も当然遅れる・・・

2011/05/12

第5ステージ

ホテル先回り隊でしたが、ホテル側の対応が親切で助かりました。

レースはホテルで見ましたが、レースを終え戻ってきたチームカーは、細かい砂埃まみれ…

明日はまたレース現場に向かいます。

2011/05/11

第4ステージ

今日のステージは、集団にてレースを終える形となり競走ではありませんでした。
レースが終わりホテルに着いたのが20時前…
マッサージを急いで行っても遅い時間の夕食となってしまいました。
トスカーナに入り、特にスタッフはほとんどトスカーナ人ですので、夕食のメニューに喜んでいます。
選手達と違うメニューを頼めたので…
やっぱりトスカーナ最高らしい。

レースは、まだまだ続いて行きます。
明日は、レース現場には行かずにホテル先回り隊を担当します。
チームにはカミオンと呼ばれる大きなトラックがあり、荷物を大量に運びます。
そのカミオンより一回り小さなワンボックスカーを私は運転し、ホテルでチェックインを先に済ませ、選手達の部屋の確認作業(空調は効くか?シャワーのお湯は出るか?静かな場所か?)等を行い、カミオンの到着を待ち、一気に荷物を部屋に分配していきます。
レースの現地に行かなくてもこれはこれで重要なレースに関する仕事。

2011/05/10

第3ステージ

今日のステージでベルギーのウェイラント選手がレース中の転倒で亡くなってしまいました。

選手と身近に接している我々の仕事は、レースを重ねる毎に家族のような存在になってきます。
実際、年間通して家族以上に一緒に活動し、ホテルを転々と共に移動します。
選手の身体を触る我々マッサーは、気持ちと共に手を動かします。

選手の荷物は、次のホテルに運んでおきます。
レースから帰ってきてすぐに休めるように・・・

今日の夕食もとても静かなテーブルとなりました。
新人監督のスカルセッリ、チーム中心選手のヴィスコンティは、クイックステップ時代に一緒にレースを共にしたチームメイトだったので・・・

ご冥福をお祈りします。

Farnese Vini - Neri Sottoli
Masanori MIYAJIMA

2011/05/09

第2ステージ

パルマがゴール。
昨日のトリノの混雑ぶりは落ち着き、純粋な自転車ファンが集まる今日のアリーボ…

アリーボからホテルまで、近かったので、食事は20時に選手達を送り出せましたが、これが長距離移動になるとタイムスケジュールが遅れていくので、速やかにマッサージを開始するためにも無駄を省いた仕事も要求されます。
飛ばしすぎないように落ち着いて仕事してますが、いまいち調子がでない…
皆が疲れた頃にバリバリ働ける為にも、焦らずに頑張りたいと思います。
それにしても暑かった…
選手によるとボトル10本は消費したとか…

サクソバンクとホテルが同じですが、このジロのサクソバンクの監督は、日本の自転車界では知られた存在のフィリップ・モデュイ氏です。
彼とは日本にいた時、大門監督とともにツールド北海道やツアーオブジャパンを転戦した仲間であります。
このジロで会えた事を喜んでくれています。
彼は優勝候補の選手のチームの監督。
日本での活動が実はイタリアでも繋がっていたりするのですね。

夕食後、カミオンにマッサージベッドを積み込みに外に出たら、雨と強風のオンパレード…
あの天気はどこに行ったのかしら?
暑い日もあれば寒い日もあるはず、まだまだ先は長い。

2011/05/08

第1ステージ

ついに始まりました。
このレース。
普段と違うのは、ゴール後の混雑をいかにすぐに抜け出すか?
まぁ今日は異常な雰囲気でしたね。
自転車レースファン以外に酔っぱらったアルピニスト達がうようよ。

今日はJSPORTSの電話インタビューに出させて頂きました。

2011/05/07

トリノ三日目

今日は、午前中選手達のタイムトライアルの試走と軽いトレーニングに付き添うチームカーに同乗してきました。夕方からのチームプレゼンテーションに合わせ、早めにマッサージを開始しました。
レースが始まる三日前から乗り込んでいると何だか時間がありすぎて疲れたりもしますが、いよいよ明日からジロが始まります。
長い期間のレース。
想定外の事も起きるかもしれませんが、チームの仲間と乗りきりたいと思います。
頑張ります。

2011/05/06

トリノ二日目

今日も準備の一日となりました。
昨日に続き、スタッフミーティングが重ねられています。
同じ事を繰り返していますが、頭に叩き込んでいなければマッサー達の働きに大きく迷惑がかかる。
お互いに・・・
何度も何度も言われること・・・「長いレースだぞ!!」

食事のテーブルで「マサ!元気がないなぁ~」と言われました。
うちのチームはトスカーナベースのチームですが、ふざけるのが好きな雰囲気を持っています。
テーブルのあちこちで「ナハハハハハ!!!」「ガハハハハ!!!」「イヒヒヒヒヒ!!!」と聞こえてきます。
自分としては、初っ端から飛ばし過ぎないようにというのと、仕事に対する頭の中を整理しているところなので、元気が無いように皆は感じるようです。

単にジロに来ただけでなく、しっかりとこのレースを身体、頭の深いところまで染みこませたいと強く思っています。

今日の夕食時に食事が大幅に遅れるトラブルがありました。
我々は選手とスタッフの食事の時間が違います。
今日は7時半に選手の食事が開始。
我々スタッフは、30分遅れの8時から・・・
特に選手の食事が遅れることは、次の日にも大きく影響するため(就寝時間にも)ないようにしています。
日本の食事と違い、こちらでは前菜、プリモ(パスタやリゾットなど)セコンド(肉類、魚など)と出てきます。
酷いときは、パスタを食べた後に肉が出てくるまで45分待たされる事もあったり・・・
雰囲気が良い時は、「今、豚を捕まえに行ってる」とか冗談もでますが、そんな場合じゃない場合は・・・
テーブル担当のマッサーは、調理場に催促しに行ったり、イライラしたり・・・

今日は、選手でなく、スタッフの方で遅れたのですが・・・(選手でなくて良かった)
テーブル担当のマッサーは、食事後にシェフを呼び出し、緊急ミーティング開始です。


明日は、プレゼン。
いつもなら、ちょうどマッサージをしている時間帯。
帰ってきてからマッサージだと、食事が遅くなるし、プレゼンの前に終わらせるには、午前の練習から帰ってシャワーを浴びて、昼食後すぐにマッサージ開始しなくてはなりません。
簡単には、行きませんね。
しかもほとんどのレースは夕方にゴールしますから、その後ホテルへの移動があり、長距離移動時にはマッサージの開始時間が遅くなることは多々あるようです。
マッサージの時間と食事の時間との戦いになります。
スタッフも基本的に、夕食までに仕事を終わらせます。
食後はゆっくりして次の日に備えなくてはいけません。
そのためにも仕事をスムーズにシンプルにする必要があるのですね。
いつも遅くまでやってるから、頑張ってるとは思われません・・・(当然特例はありますがね)

明日は、午前の練習にチームカーで追走予定。




2011/05/05

トリノ一日目

レースの時は基本的に監督は一人部屋。ドクターは一人部屋。
マッサーはメカニックと同部屋。
選手は、監督と相談して誰と誰を一緒にするかを決めます。
私と同部屋のメカニックは、アンドレア・ニエリ。チームのヘッドメカニックです。
経験豊富な彼に何回目のジロか?聞いたら「んー20回位かな?数えてねぇ…」との返事。
選手では、ノエ選手の16回目のジロ…
彼の弟のマッサーパオロは、14回目だとか…
私を含め初めてのジロを迎えるスタッフが三人います。
未経験者の我々は、彼らの経験に耳を傾け、良い仕事にする事が必要ですね。
3週間のレース。
中野マッサーから、以前聞いた「仕事をシンプルに、スマートに…」の意味が今になると良く分かります。
チーム内での存在感を失わないように、「私は何を求められているのか?」をしっかり肌で感じて、アンテナ張って働くのみ…

2011/05/04

Giro d'Italia 2011

シーズンが開幕し、いつの間にか5月…といった感じもします。

ついに7日からGiro d'Italia 2011が始まります。

私にとっては未体験ゾーンの活動になります。
経験豊富なスタッフから毎レースいろいろ叩き込まれてきましたので、それを活かすのみです。
今日はマッサーのミーティングを行いました。
私は、スタート・ゴール担当という事で、スタート地点では、チームバスの中で出発前の選手のケア、そしてバスでアリーボに向かい、ゴール地点で選手を迎え入れる仕事を担当します。

ジロのチームの構成は…
選手9名。
監督2名。
ドクター1名。
広報1名。
メカニック3名。
マッサー5名。
バス運転手1名。
の構成となります。

マッサーが5名ですので、2選手を担当する事になります。

我々は、世界規模からみたら、大きくないチーム。
家族総出で出発するような感じもありますが、とにかく仕事の連携を大事にして、スムーズに運ぶようにしたいと思います。

明日にはトリノに入ります。

アルバイテン!

2011/05/02

トルコ終了

レースが終了。
このレースとジロ・デ・イタリアの2レースで引退をするアンドレア・ノエ選手と・・・
いつの間にか、私も40代に突入し、自分よりも年下の選手ばかりなのですが、彼だけは年上。
まぁ、日本ほど年齢に関してはこちらは気にしないのですが、さすがに40歳を過ぎてもハイレベルの戦いが出来る選手は特殊であります。
サルデーニャでのレースから、彼を担当していましたが、最後のレースとなるジロ・デ・イタリアは、彼の弟(マペイ、メルカトーネウノ、コルナゴなどでしっかり経験のあるマッサー)が担当することになります。
今年で16回目の出場だそうです・・・

普段、選手と写真を撮ることはほとんどないのですが、今日は最後に一枚だけ・・・

今回のレースもスタッフの連携の大切さを痛感した場面がたくさんありました。
自分の仕事という認識以上に、我々の仕事という認識の上にそれぞれが責任をもって仕事をしないといけなのですが・・・
今回は、1週間のレース。
次は、3週間なのですから、小さいストレスも重なれば大きくなるはず。
我々は大きなチームではありませんが、なんとか連携をしながらいい仕事がしたいと思っています。

イタリア人達は、イタリアに帰って美味しいパスタが食べたいらしい・・・
日本に帰ったら、美味しい白飯が食いたいのと同じかな??
でも、トルコのお米は美味しかったです。
もち米みたいに歯ごたえがあり、ベチャベチャしてませんでした・・・